実写版るろうに剣心

実写版るろうに剣心の感想

今更だけど、先々週に見た実写版るろうに剣心の感想を振り返ってみる。

■全体
1つの剣客劇としてはそれなりに楽しめる出来。
漫画作品とかの実写化って、90分枠に収める以上はアレンジとかが入るのは当然とはいえ、原作ぶち壊すような作品が多いわけだけど、るろ剣(実写版)はそんなことはなかったと思う。
とはいえ、原作ファンとしては気になっちゃう箇所もあるのよね。。。
以下、ネタバレ的な側面もあるので読む場合は自己責任で。

■よかった点
・キャスト
 佐藤健はもともと個人的に好きな俳優さんだし、
 彼の演技力やキャラを知ってるので、剣心役が彼でよかったという感じ。
 #本映画と関係なく、もともとネット上で
  「もし、るろ剣を実写化したら」っていう企画があったけど、
  そこでも佐藤健は文句なしの1位だったし。

 しかし、主役以上に素晴らしかったのが吉川晃司さん演じる鵜堂刃衛。
 キャラの作り込みが素晴らしい!!

 あと、江口洋介さんの斎藤一香川照之さんの武田観柳については
 役者さん自身のキャラが原作のキャラを食ってしまった感じはあるけど、
 個人的にはありだな。原作とは違うけどいい味だ。

・殺陣
 殺陣がよかった。変なイフェクトのCG多用とかしない点はポイント高い。

・原作の再現具合
 原作の名シーンのところはもっと上手く演出できるはずーとか思うが、まあ許容範囲かな。
 刃衛戦では、人斬りに戻りかけてて言葉遣いが荒々しくなってくるとことかよかった。
 #まあ、欲を言えばもっとドスを聞かせて重みがあればベター。
  刃衛戦といえば、怒った剣心が「殺してやるからかかってこい」
  と発言するのが原作の名シーンだと個人的には思ってるんだけど、
  この台詞を再現したのはよかった。ただ、この台詞を発するまでは
  もうちょっと尺を長くして、視聴者を焦らして欲しかったかもw

■頑張って欲しかった点
悪くはないけど、原作ファンとしてはついつい細かいとこを突っ込んじゃうんだよね。

・キャスト
 左之助と高荷恵は何か違うかなぁ。。。
 斎藤一と武田観柳は原作とちょっと違うけど楽しめたんだけど、
 左之助と恵はちょっとあれだった。。。
 #なんかこれ、単純に演じる役者さんの能力というか経験の差な気もしてきた。

・説明が足らない箇所(原作の知識で脳内補完要)
 刃衛が恵に「頼みがある」と言った内容が不明。
 神谷道場の場所は知ってるはずだし、道場に薫がいるかどうかは恵は知らないはずだし。

 あと、地上げのために神谷道場の信用を落とすという役割を観柳がやってるんだけど、
 ここの説明が足らないかも。
 というか、その後に剣心を雇おうとするところにも違和感(計画の邪魔者だし)。
 剣心と左之助の闘いを見て、あーいう奴に関わると危険だ、と警戒しているのだが、
 その後の言動に剣心への警戒や恐怖が一切でてこないのもなぁ。

 あと、恵が剣心に対して「あなたは人斬りだったんでしょ」という台詞で、
 恵は剣心に対してマイナスの感情しか湧いてないように見えるのだが、
 その辺の確執みたいなもんは一体いつ解消したのかな。
 #まあ、救出のために危険を承知で観柳邸に押し入っているのは知っているだろうけど。

・原作の再現具合
 外印は色々な意味で違うなと。
 脚本の都合で、原作の般若のポジションで外印が出てくるのはまだいい。
 ただ、彼の戦う理由とかキャラとか観柳の元で働いている理由とかが、よくわからん。
 色々なキャラの台詞のつぎはぎで、しかも仮面の下の素顔も原作と違いすぎるし。。。
 とはいえ、剣心の不殺の背景説明には、あの手の台詞が脚本上必要だったのかも。

 あと、ラストで心の一方を自力で破った薫が、剣心が人斬りに戻るのを全力で止めるとこ。
 ここの尺が長すぎる!!えぇ、ここが不満です。
 他は許容できるけど、ラストの大事なとこだけに余計に不満です。
 もっとコンパクトに、視聴者にガツンと来るような台詞にしてほしかったです。
 枠の問題もあるんだろうけど、剣心の不殺の誓いなんかの説明もできてなかったかな。

・贖罪について
 "るろうに剣心"という作品自体のテーマってのは、
 (少年ジャンプの悪習?により格闘漫画化した京都編を除けば)
 贖罪なんだけど、今回の映画では贖罪っていうメッセージは
 外印戦と刃衛戦だけで伝えるのは無理があったかな。
 左頬の十字の傷の説明なんかも、独立したお話になってるし。。。
 #まあ、90分の枠に収めきるのが、そもそも無理なのかもだけど。


■結論
色々と書いたけど、楽しかった。
アニメ版よりは実写版のほうがいい!!これは絶対。
アニメ版のDVDとか買おうと思ったことないけど、
実写版のDVDは購入もありかなと思える出来。