退職しました

twitterでは、それっぽいつぶやきをしてたので、
それらの投稿を見てた人は察していたかと思いますが、
3/31付けで9年間務めた会社を退職しました。(溜まった有給は、ちょっとだけ消化)

一部の方にはF2Fで相談に乗って頂いたりとかしてたのですが、
基本的には水面下でこっそりやるものなので、ほとんどの人には寝耳に水かなと思います。
なんで?という質問をオンライン/オフラインともに受けているので、
せっかくなので、いわゆる退職エントリー的な記事を書いてみました。

■前職について
いわゆる総合電機メーカーと呼ばれる会社の一つでした。
最近は、各種メディアで大手電機メーカーの各社がdisられることが多いですが、
業績的には悪くない企業に分類されていたこともあり、
務めていた会社がdisられる記事などはあまり目にしていなかったかな、と。

一時期の僕のライフスタイルがめちゃくちゃになっていたこともあり、
ブラック企業なの?」という質問を友人から受けたこともあるけど、どうなんだろ。
大きな組織なので、所属事業所やチーム、プロジェクトによりけりだけども、
理不尽なこと平気でやる系のブラック企業ではなかったと思っています。
もちろん、真面目な人(=完璧主義?)が多かったがゆえに、
結果的にブラックになっていた、という面もあったかもしれない。
日本人は世界的に見ても真面目な人が多いとよく言われるけど、
その日本人の中でも”真面目”に分類されるタイプの人が社員のほとんどだったので。
※まあ、大企業なので、稀に僕みたいないい加減な人間も存在してしまうのですが、
 全体として見ると、根が真面目な人が多かったと思います。

■退職利用1:ミスマッチ
まともな人ばかりの職場なら、なんで辞めたの?という突っ込みが来ると思いますが、
一言でいえば「ミスマッチ」ですかね。
僕自身がやりたいことや目指していることと、
会社が向いてる方向性が、噛み合わなかったという感じです。
業務へのモチベーションの低下は、
低い生産性や”成果なし”という状態につながっていました。

これ以上、会社に居続けても、周りの人に迷惑かけるだけだし、
誇りを持って真面目に業務に取り組んでいる人達に失礼極まりない行為でした。
会社にとっても、僕と業務上のつながりがある人にとっても、そして僕自身にとっても、
このような状態が続くのはよろしくない。お互いが不幸になるだけ。
そのように考えたのが、一番の理由です。
※その他には、新卒の時のマッチング面談の件も時効だと思ったのもあるかな。
 形式上は学校推薦の形での入社だったから、辞めると後輩に迷惑がかかるのでは?(今は就職難だから余計に)
 とか考えた時期もあるけど、今の自分の年齢なら時効というか、関係ないよな、と。
 むしろ、不良社員を続けてる現状のほうが、よっぽど後輩の迷惑かな、と。

■退職理由2:挑戦したいこと
もちろん、ネガティブな理由だけではなく、ポジティブな理由もあります。
他にやりたいことあったのもあります。
最近はAIブームだけど、大学・大学院では人工知能の研究(主に機械学習)をしていたこともありました。
週末に勉強会に参加したりカンファレンスに行ったり、趣味でいじることはあったけど、
やっぱり、横でただ見ているだけじゃ嫌だという気持ちが強まったのもあります。
自分が学生時代よりもナレッジ。ノウハウが増えた現状を踏まえて、
人工知能というテクノロジの社会への応用というテーマに挑戦してみたいという気持ちが強くなったのもあります。

■もやもや〜決断
そうは言っても、実際に行動に移すまでには、かなりの葛藤がありました。
転職活動を行う上で発生する「書類作成」や「面接」は、
そのための時間を捻出するのも大変だったけど、
やっぱり、決断するまでが一番エネルギー使ったと思ってます。
社会人としては、9年目が終わりに差し掛かる頃での転職でした。

その過程で、色々な考え方や意見に出会い、その度に悶々としてきたのも事実。
前述の違和感とか疑問、モヤモヤがずーっとまとわりついてて、
この9年で出会った印象的な言葉が頭の中でリピート再生されることが多かった。
リピート再生されてた言葉というのは、以下。
「仕事をしないことがWLB(ワークライフバランス)だと考えている人が多いが、
 エンジニアはテクノロジに触れているときが至福で、その機会を損失させる強制力はうっとおしい」
「真面目だけど真剣じゃない」
「好きなことして生きていけるほど人生は甘くはない。だが、好きでもないことを嫌々やって世界と戦えるほど甘くもない」
「就職活動的なことは、一生続く」
平日なんかは疲労感とか眠気が先攻してくれたおかげで、幸いなことに?上記のようなことに悩むことも少なかったかも。
ただ、週末に呑んだり休憩したり、本気になって仕事してる友人に会ったりとかする過程で、
ふとした拍子に考え込んでしまったりすると、脳内再生の頻度が高まっていたんですよ。

また、ある程度の社会人経験のようなものをしてきたからこそ、学生時代にお世話になった先輩に言われた
「原則・型を知った上で崩すのは構わない。だが、それを知らずに崩れた動きをするのは”デタラメ"だ」
を思い出して、そろそろ崩してもいいのかな、とか思ったり。
”守・破・離”における”守”を愚直にひたすらやる年齢じゃないし、そろそろ”守"から次のステップへ向かう時なのでは、と思ってみたり。
ただ、”破”で行くなら、それは今までの組織は違う、とも思っていた。

転職活動自体は色々とありましたが、紆余曲折を経て、新年度からは
某総合コンサルティングファームのBI(ビジネス・インテリジェンス)の部隊にて
データサイエンティストとしてのキャリアをスタートします。

■おかしな組織ではない
疲れてる時なんかは、仕事嫌だ〜とか面倒とか、ネガティブなことを
twitterで呟いてしまったこともあると思います。
不満があったからこそ、今回のアクションをとったわけで、愚痴は沢山ある。
まあでも、改めて振り返ってみると、日系大企業に勤めたことのある人なら
ほとんどの人が経験したことあるというか、「あるある〜」なネタの一つに過ぎない気もしている。
でも、中の人自体は、お世辞抜きでまともだった思います。

広告業界大手のD社さん関連で悲しい事件があり、それの報道も沢山ありましたが、
それを踏まえて、深夜残業の見直しがありました。
よーするに、自浄作用はある会社でした。何より、そうなるように倒れるのは、
中の人がまともだったから。

大企業に甘えてる・ぬるま湯に気づかない、みたいな人材はいなかったはず。
今がぬるま湯としても、現状維持がまずいことは皆わかってた。
うまく説明でできないが、現在への違和感や疑問、危機感は皆が感じていたはず。
具体的なアクションを思いつく&実行することができなかっただけなんだ。
こう書くと努力不足に聞こえるかもだが、そうじゃない。
思いつく&実行するのは、大変なことなんだ。
個人として頑張るのは自分のペースでできるけど、組織・チームとして頑張るのは自助努力とは異なるエネルギーがいる。

「技術力は高いけど商売下手」みたいな言われ方する企業ではあったけど、
拡販系のチームの人達はジョブズの書籍やらビジネス書を輪読してたと記憶している。
(まあ、ジョブズばっかりでウォズニアックをスルーしているので、掘り下げが甘いな、とか突っ込みいれてた自分がいたわけだが)

「退職願」の提出後も「どうせあいつは辞めるんだから」みたいな扱いは受けなかった。
ハブられるとか無視されるでもなく、打ち合わせとか普通。流れでコメント(フィードバック)もらうこともあった。
「どうせもうすぐ辞めるんだから、その前に面倒な作業を振っちまおうぜ」みたいなことは皆無でした。
むしろ、最終出社日は気持ちよく追い出してもらえました。
最後の挨拶の後には花束も頂きました。
その後は月曜にも関わらず、有志で送別会を開いてもらえました。

また、ドタバタしてたので挨拶メールをPC停止直前に送るだけで直接の挨拶ができなかった人が沢山でしたが、
最終出社の2日後の課の飲み会(年度末の打ち上げ)にも、快く誘ってくれたので参加したけど、
その時に、寄せ書きという嬉しいプレゼントも頂きました。
最終日にメール送るだけでF2Fで喋ることできなかった先輩方(とくに新人の頃にいたチームの方々)からの寄せ書きが沢山あったのは、本当にびっくり&めちゃくちゃ嬉しかったです。

■まとめ?
良い人ばかりだったけど、やっぱり、自分のようなタイプは組織に合わなかったと思います。
褒められて伸びるタイプ・叱られて伸びるタイプとかの問題ではなく、
仕事については、自分の場合は組織・チームとして目指す方向に対して、
自分がワクワクできるか否かが最重要です。
失礼だけども、会社に居続けた場合に、そーいう仕事はできないと思ったし、
だからこそ、居続けるのは、周りの人に失礼にしかならない。
面倒くさくて扱いづらいといえばそれまですが、
その辺を踏まえると、退職というアクションは順当だったと思います。

長々と書きましたが、明日から新天地に飛び込みます。
違う職種になるので追いつかなきゃいけないこと沢山あるので、まずは勉強かなと。
満足のいくキャリアを積めるように、精進します。