シルク・エロワーズ「iD」観てきた

記憶が完全に飛ぶ前に、3/20に観てきたシルク・エロワーズの公演「iD」の振り返り。

■「iD」とは
シルク・エロワーズ(シルクドソレイユから分離独立!?)の公演で、東京公演は水道橋のTokyo Dome City Hallにて実施。
ツアーで、日本では他に関西とかでもやってた。
詳細は↓参照。
ididid.jp

■気づき事項
<世界観>
 アメリカ映画に出てくるダウンタウンというかスラム街みたいなとこで生活する若者の日常みたいな感じ。

<演出(ショーの流れ)>  
クラウンはなし。
一人で複数演目を演じ、少数精鋭で作ってる舞台かな。
あと、プロジェクション・マッピングすげぇ。
次のアクトへのつなぎがスムーズで、これは暗転が少ないことにつながったんじゃないだろうか。

<収益>
映像と舞台上の道具含めて手作り感はあるけど、材料費や輸送費はかなり安くおさまってるのでは?
#ハードは最小限で残りはソフトウェアで舞台を設営という印象。
あと、演者とスタッフ最小限なので人件費も抑えられてると思われ。

<進行>
シルクのショーが初の人は、休憩時間の長さにびっくりするかもしれない。
2部の準備はおそらく10〜15分で済むと思われ。
物品の販売・観客数とトイレの数などもあるだろうが、演者の休憩というのもあるかもしれない。(一人が舞台に出てる時間が長いので)
あと、演技の一貫として使った道具の片付けやら次のアクトの準備をしている点は少人数で舞台進行する上では参考になった。

■まとめ
ハード(舞台上での大道具)は最小限(ただしプロジェクタや照明は自力持ち込み)にして、残りはソフトウェアで舞台を設営という印象。各種コストを抑え、さらに複数演目ができる演者を揃えた点は収益の点で注目。
あと、ダンスを徹底した感じ。動きだけじゃなく、舞台上のどこにいるかも含めてしっかりと計算して動いている印象を受けた。
そして、このような舞台制作が可能になったのはプロジェクション・マッピングのノウハウをフル活用できたのは大きいと思う。暗転が少なく感じたのもでかい。
色々な観点で勉強になり、またショー自体も楽しくて素晴らしいショーでした。

■その他
以下はすごくダラダラな記述。  ※ネタバレあり。重複あり。

<記憶を頼りに(たぶん時系列で)雑記的に記述>
開演前のBGMは道路を走る車の音やパトーカーのサイレン。
そして若者の叫び声?で照明フェードアウトからショーがスタート。
男女の戯れ合い?がアクトになってる。
この辺から使用してたプロジェクションマッピングが素晴らしい。
ローラースケートと自転車のアクトはチーマー同士の喧嘩?からダンスに。
客席から人をステージに呼び、自転車のアクトで手伝ってもらう。スリルあってgood
夜中で虫の鳴き声?をBGMに男女でブレイクダンス
工事現場(背景はプロジェクションマッピング。これが超面白い)
バウンスのアクトで演者を板?で囲むところも面白い。
工事現場という設定であるため、次のアクトの準備(運び出し)がショーの一部になってるところは興味深い。ロープを演者や回収する道具につけるとことか。
わっかくぐる(暗転しない)
チーマーの喧嘩→なわとび→むち→ダブルダッチで一部終了。大体40分ぐらい。
ここで30分の休憩が入る。
二部は一部と同様に雑踏のBGMから照明フェードアウトでスタート。
スラム街での日常?→イスでのバランス。わざと揺らすのはおそらく演出。
最後はイスをメンバでパスし合ってるんだけど、これは片付けも兼ねていてなるほどと思った。
フラフープの演技。時計の映像はすごく綺麗。
シル・ホイールでは映像(というかプロジェクション・マッピング)が綺麗。トランス系の曲(onokenさんのvijoreとか)と合わせるといい感じの映像。
プロジェクション・マッピングでは、舞台中央に吸い込まれるみたいな映像があって、それと演技の連携がタイミングもばっちりで面白かった。
トランポリンもよかった。あのセットの中だと余計にすごく感じるかも。
ラストの挨拶を見る限り、演者は全部で16名。一人で3〜4演目はやってる計算。
他に2名いたけど、おそらくステージハンズ?

<当日の自分のTwitterまとめ> ※言いたいことのエッセンスはこっちにあるかもw
前半は40分ぐらい。んで今は30分の休憩。この30分というものは観劇に慣れてない人は面食らうかもね。。。レジデントショーでない以上、進行の都合で休憩は必要だけど15分もあれば足りる気はする。グッズ販売もあるけど、最大の理由はトイレの数かしら

とりあえず、公式プログラム(パンフレット)とクリアファイル(2種類)を購入。しかし、CDは売り切れとのこと。。。うーん、残念。東京以外の公演を観劇予定の方で、代わりに購入してくれる方はいませんかね(爆)

観劇だん。素晴らしかった。映像と照明の使い方はすごく勉強になった。いや、むしろプロジェクション・マッピングが舞台演出において強力な道具と痛感できたかな。結果的に、暗転が少なかった(or少ないように感じた)と思う。

そーいや、この公演でクラウン的な役がいなかったかも。(もしくは開演ギリギリで見逃しただけ?) あ、あと、観劇中の注意事項のアナウンスが日本語&英語だったのを除けば、ショー自体には特定の言語によるセリフはなかったはず。完全なノンバーバル・パフォーマンスかもしれない。

そして、一番驚いたのは演者の少なさ。全部で16名。休憩時間を引くとショー自体は90分(運び出しのための暗転時間はすごく短い≒無駄が少ない!?)で、複数の演目を融合させたアクトが観られるわけだが、同じ演者が何度も登場してる(ていうか、ほぼ全員!?) 一人の演者が複数演目をやってる

ほとんどの演者が複数の演目を行う。そしてダンスは全員必修な感じ。少数精鋭なのかも。あと、ショーで使った道具はトランポリンと、それが組み込まれたセット以外は大抵の劇場にあるもの。ハイスペックなプロジェクタは自分達で持ち込んだと思われ。

舞台のセットは最低限で残りは映像と照明のフル活用(というかプロジェクション・マッピング)。ハードは最小限で残りはソフトウェアで舞台を設営という点ではクラウド・コンピューティングみたいだなw

でも、ハードは最小限ってのは運送費や組み立てのコスト削減でもある。それに加えて演者は少数精鋭。これ、利益率高いのでは?だからこそ、シルクドソレイユの平均的な舞台に比べるとだいぶ安い値段でもショービジネスとして成立してるのだろうか。。。 (ま、僕の憶測に過ぎませんが)

舞台製作もクラウドの時代ですね(ぇ